それは病原菌である虫歯菌や歯周病菌がお互いに連鎖し合って膜『バイオフィルム』となるからです。
このバイオフィルムは歯みがきでは落ちません。
むし歯になる人とならない人がいるのは、この原因の組み合わせが人によって違うからです
酸を中和する力
健康な人の口の中は中性です。
糖を含んだ食事をすると、一時的に口の中は酸性に傾きます。その後、時間をかけて唾液が口の中を中性に戻そうと働きますが、中性に戻す力が弱いと酸性の状態が長く続くことになり、虫歯になりやすいのです。
食後、酸が歯を攻撃します。唾液が分泌され、緩衝能が働くことにより、酸が中和されます。
間食が多かったり、砂糖入りのガム、アメ、飲み物をよく食べたり飲んだりしていると、唾液の緩衝能がはたらく時間が短くなり、お口の中が常に酸性に傾いた状態(虫歯になりやすい状態)になってしまいます。
「細菌の量」「食生活」「歯や唾液の質」など、さまざまな要因が複雑に絡み合っているため、虫歯ができる原因は人それぞれです。
毎日歯みがきをちゃんとしているのに虫歯になりやすい方や、歯が生え揃ってきたお子様などにおすすめの検査方法です。
この検査でお口の環境を把握して、患者様1人1人に合った予防プランをご提案します。
問診を行います。
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※検査は、慣れてくると10~15分ほどで終わります。
※上記はデントカルトで唾液検査(サリバテスト)を実施する場合の手順です。
むし歯菌の感染は親から子へという流れがとても多く、当院では親子やご家族みなさんでの検査をお勧めしています。
検査で把握できた情報をもとに、患者さん用説明ソフト『カリオグラム』を使ってビジュアルでわかりやすく「なぜむし歯になってしまうのか」「本当の原因は何なのか」「予防するには何をすればいいか」をお話いたします。
お子さんには、虫歯リスクの高さを菌の数だけでなく、管理栄養士による食生活に関してもアドバイスを行います。
大人の方には、さらに位相差顕微鏡検査も行っています。 この検査は、唾液検査(サリバテスト)時に採取した唾液の中にいる虫歯や歯周病の原因菌を、より鮮明に観察出来る「位相差顕微鏡」を用いて行い、原因を突き止めます。位相差顕微鏡は、実際の画面で患者さんの口腔内の細菌類の状況や変化を把握できますので、発症予防やお口のリスク管理など、予防歯科分野でとても重要な設備です。
また、妊婦さんには、この検査によって妊娠中にお口の中の状況をしっかりと把握することで、むし歯リスクのない良い口腔内環境に整えて赤ちゃんの誕生を迎えていただきたいと思います。
検査は自費治療となりますが、とても簡単な検査で痛みもなく短時間で終わりますので、唾液検査(サリバテスト)を受けられることをお勧めいたします。
検査費用 |
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SM検査のみ | むし歯のきっかけとなる、唾液や歯垢の中のミュータンス連鎖球菌の検査 |
1,000円(税別) |
全項目の検査 | SM検査に加え、むし歯を進行させるラクトバチルス菌の検査、唾液分泌速度、唾液緩衝能検査など |
3,000円(税別) |